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孤狼の血

骨太のストーリーに最後まで惹きつけられた


採点 ★★★★

 東映がヤクザ映画を作ったというので早速観に行きました。さほど期待していませんでしたが、予想以上に面白かった。
『仁義なき戦い』等の実録路線を作っていた東映の血が、未だ脈々と残っていたことも嬉しい誤算でした。大学生の時、試験の合間を抜って上記シリーズ全五作を追っかけて観ていた頃を思い出し懐かしく思いました。
左翼とか反体制とかいった夢が瓦解してしまった時代で、『仁義』シリーズは暗い情念を抱えて観入って、心をわしづかみにされた作品群でした。

 昭和63年、広島県呉原市の警察署で大友巡査部長(役所広司)に広大出の新人 日岡巡査(松坂桃李)が転属される。マル暴対策の刑事達である。
呉原市では、地元の尾谷組と広島市の五十子(いらこ)会、その配下の加古村組とが抗争の火種を散らし始めている。
大友らは、加古村組配下のマチ金融の経理士失踪事件を探っていく中で、加古村組員が拉致に関わっている事を突き止める。大友の捜査は、ハチャメチャでヤクザ世界にも入って金と情報を取り、捜査のためなら放火・窃盗・違法侵入などの違法行為も平気で行う。相棒の日岡は驚き、反撥するも、必死で付いて行く。
 尾谷組の若い者が殺されたことをきっかけに、両組の対立は激化し、全面戦争に至ろうとする時、大上はこれをくい止めようと尾谷組に乗り込み、失踪事件から加古村組を壊滅させると三日間の猶予をもらうが‥‥。

 養豚場でのリンチやヤクザ抗争の凄惨な場面、クラブ梨子での真木よう子ママのきらびやかな世界、警察内部の対立と暴力団との癒着、日岡の恋模様と骨太の描写が続き、観る側を飽きさせないのには感心した。
 
 また、これは黒澤明監督が『七人の侍』や『椿三十郎』で好んで描いた青二才とベテランの物語であり、ベテランが指南し、青二才が次第に成長していくドラマでもある。
しかし、そのような美しい物語は避けて、前半頼りなげに見えた松坂桃李が後半 役所広司を凌ぐモンスターに変わっていくところは、驚きでもあり惹きつけられた点でもある。
 大友の過去が謎であり、日岡が本部検察官から彼がつけているノートを探すよう密命を帯びていたが、徐々に大友の人となりが明らかになり、ノートは警察上層部の腐敗を記録したものと解ってくるところも良かった。

 映画は、勧善懲悪ではなく、善と悪が入り乱れたドロドロした世界を描いており、荒い粒子のザラザラした画面は、昭和の世界をうまく再現しているナと強く惹きつけられた。
えげつない描写はさほど印象に残っておらず、結末が予想できずグイグイと引っ張る力技が気に入った作品である。



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オリエント3

新たな趣向がこらしてあり楽しめる


採点 ★★★★

 薫風が爽やかな午後、梅酒漬けとラッキョウ漬けを終え一息ついています。明日は梅干しの仕込みをやる予定で、これを終えると春先の作業は一段落です。毎年作っているものなのですが、手を抜くと出来上がりが不味かったりと微妙に違っていて中々奥深いと感じております。

 「オリエント急行殺人事件」(2017)を観ました。ミステリーが好きで1974年のシドニー・ルメット監督作もデヴィッド・スーシェ主演TVシリーズ版も観ていて、ネタバレだし、何を今更と家族にも呆れられましたが、多くの名優を観る楽しみもあり、忠臣蔵みたいなものかと気楽に観ました。
思っていた以上に面白かったので感想を書いておきます。

興味深かった点は、次の通りです。
1. 美しい撮影
 全体に青を基調とした色彩でとても美しい映像です。ケネス・ブラナー監督は、デジタルカメラではなく65mmフィルムで撮影し、深みのある美しさを取り込もうとしたようでこの試みは成功しています。
また列車の内装と食事のゴージャス感もワクワクするようで際立っています。
 車窓の風景は、列車の両側にLEDスクリーンを設置し、別途録画した景色を映して
撮影しているとのことで、違和感もなく技術もここまで来たかと感心しました。
また車両内の撮影も流麗で素晴らしいものです。

2. 燃やされた脅迫状
ミステリーの愉しみは、残された手掛かり(CLUE)を推理しながらジグソーパズルの様に当てはめていくところで、本件でも殺人事件の起こった車室には、何と四つの手掛かり(ボタン、ハンカチ、パイプ掃除ブラシ、燃えさしの紙片)が残されていました。
多すぎダロウ!! と不自然な感もしますが、名探偵ポアロが燃えさしの紙片から脅迫状をランタンで炙って浮かび上がらせる場面は、鮮やかです。

浮かび上がった文字
AS A STRONG BLOOD
IS ON HAND,
YOU WILL DIE T

(強い血が手に付いているので、お前は死ぬだろう)

ここからポアロの推理で次のように読み取ります。下線部が消えていたところ。

DASY ARMSTRONG’S BLOOD
IS ON YOUR HAND,
YOU WILL DIE FOR IT

(デイジー・アームストロングの血は、お前の手に付いている。お前はそれで死ぬ)

ポアロは、被害者が米国で起こった5年前のデイジー・アームストロング幼女誘拐殺人事件の犯人カセッティだと気付き、ここから犯人捜しが大いに進展していく事になります。
 1974年版での、long distance call 長距離電話という言葉は英国では使われない事から米国に住んだことがあるハズだとミス・デブナムを追求するところ、それから公爵婦人付きのメイドがコックだったことを明らかにするところ等は、本作では略されていましたネ。
(当時英国では長距離電話を trunk call と呼んでいたことやメイドは料理人ではない等の知識が必要です )

3. 善と悪の二元論
 ポアロは、『この世には善か悪かしかなく、その中間はない』、
『神とポアロの前には犯行を隠すことが出来ない』 と断言します。
茹で卵の大きさが同じである事にこだわり、フンを踏みつければもう片足にも付けなけば気がすまない世界がバランスが取れている事に拘る性格です。
従って、ラストで12人の容疑者を前に、善人が悪人を殺害したという真実、つまり善と悪のバランスが崩れたことに苦悩します。
この場面は、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」を模して作ってあり強い印象を受けます。‥神の前での真実‥
 ポアロは事件の真相を突き止めた後、葛藤、苦悩しますが、「暴漢がラチェット(カセッティ)を襲い逃走した」という説を受け入れ、真相を隠すことに同意して去ります。ほろ苦さが残るラストでした。

 残念ながら、善と悪の二元論は、こちらにはピンと来ませんでした。その間に多様な姿があり、それを認めるべきだろうとツッコミを入れたくなりました。
独善を排し、多様性を許容する今の時代にポアロの姿はそぐわないのかな。

4. 俳優たち
 ケネス・ブラナーは、髭が大きく見事で意外にもアクションも身軽にこなし、ポアロ役を見事に演じていましたが、奇異な姿のベルギー人というよりは英国人紳士の印象でした。
 原作者アガサ・クリスティーは、第一次世界大戦後に亡命したベルギー人達を見てポアロの物語を思いついたそうですが、映画での両国の文化の差異の描かれ方は小さい印象です。

 その他の俳優は、キャラはしっかりしていましたが、全般に小粒な印象です。ラチェットの執事を演じたデレク・ジャコビは、ガンで余命いくばくもない姿を抑えて演じており強く印象に残りました。

 1974年版は、大女優らが演技を競って大輪の花が咲き乱れるような舞台劇の趣がありました。

 いずれにせよ楽しい時間が過ごせると思います。
 


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 長かったGWも今日で終わり。皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は遠出することもなく、自宅でのんびり過ごしました。家の周りの草取り、トマトの苗植え、グリーンピースの収穫等で充実しておりました。
 夜は海外ドラマ『フーディーニ&ドイルの怪事件ファイル』全5巻10話をレンタルビデオで借りて観ましたが、これは面白かった。
 シャーロック・ホームズ作者と奇術師が、ロンドン警察の女性巡査と協力して、オカルト難事件を解決していく話ですが、彼らは弱さや悩みを抱えた人間として描いてあり、プラム・ストーカー(ドラキュラの作者)やエジソンなど歴史上の人物も登場して興味深々でした。お勧めします。


 五月に入って、育てていたデンマーク・カクタス、昔はシャコバサボテンと言っていましたネ、の花が季節外れながら咲き出し、目を楽しませています。

 一昨年冬に花鉢を購入し、昨秋に植え替えをして室内に取り込み、大切に育てていましたが、この冬は花芽を付けませんでした。
予想以上に室内の蛍光灯の影響を受けたみたいで、途中から黒い袋で覆っても効果は見られませんでした。思っていた以上に光に敏感なようです。
今年春先になって、庭先に出したところ、4月中旬から花芽を付け始めました。
溢れるように花が咲く姿は美しいですね。

写真を載せておきます。
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花言葉は、愛される喜び、美しい眺めです。苦労した花が咲き出すのは喜びもひとしおです。


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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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