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映画「北のカナリアたち」(2012年)

北のカナリア

静かな作品で伸びやかな歌声に癒される


地域の町おこしでシニアの方々が2ヶ月に1回、映画上映会を開催している。私も60歳を越えたので、会員になって今回参加し、最初に観た映画がこれである。ボランティアの人々が熱心に作業されている姿には本当に頭が下がる。有難うございます。
大画面で観る映画は、集中力が高まり、映像の味わい、後に残る感触が違うナと今更のように感じいってしまった。


『北のカナリアたち』は、北海道の離島の小学校に勤めていた女教師が20年ぶりに戻り、かつての教え子たちを訪ねていく話である。なーんだ『二十四の瞳』かと思ったが、教え子が殺人容疑を受けている謎と、女教師が島を去らざるを得なくなった事件の謎が明かされていくミステリィ仕立てになっているところが、興趣をそそられた。
女教師の訪問を契機に生徒たちの心に暗く閉じ込められていた思いが、少しずつ解き明かされていく。

映画では長所と短所が見え隠れする。気になったところを書いてみたい。

1.短所
① 時間が経つと人の心は離れていくのでは?
ラストで20年ぶりに廃校となった校舎に元先生と教え子たち全員が集まり、昔歌った曲を合唱する。昔先生が出した宿題「歌を忘れたカナリアは、何を考えたのでしょうか」に答えるために‥。また最後に「皆一緒だ」と仲間を励ますシーンが出てくる。
何れも大変美しいシーンで、私も涙がこぼれそうになったが、過酷な運命や楽しい思い出があっても、ここは美談すぎると思った。やはり20年の月日の流れは人を変えるだろう。私自身の経験でも、時が経つと微妙に他人との距離感が変わってくるものだ。この微妙な違いを描くのが自然だと思う。

② 登場人物の画一性
登場人物が吉永小百合をはじめ“皆良い人”というのは、予想に近いとはいえ、興醒めである。名優小百合さんも撮影時66歳だったはずだが、20年の年齢を重ねたように見えなかったのも残念である。
脇役も有名俳優が大勢出演し、皆上手だが、人物像がやや表層的に描かれている。悪人や表と裏が違う人物などがいれば印象が違うのだろうが‥。その中でも森山未来は吃音の難しい役で演技力が頭抜けており、小池栄子は悪女風で好演である。

パズルのように一枚一枚謎が明かされていく展開は面白いのだが、教え子6人のエピソードが均等に丁寧に描かれた分、冗長で、クライマックスに向けて畳み掛けていく緊迫感に欠けていると感じた。
また中村トオルの話や犬を殴打する柴田恭兵の姿などリアリティが希薄で、無くて良いのではと思われた。

2. 長所
① 伸びやかな歌声と先生との結びつき
良かったのは、教師川島はる(吉永小百合)が生徒たちを合唱を通じて指導するところである。子供たちの伸び伸びした歌声や歌で元気を取り戻していく様子は、図らずも自分の小学生時代にタイムスリップするようで懐かしかった。映画のようにハーモニーを歌い分ける事はしなかったが、教室で良く歌った事を思い出した。

小学校の先生というのは、子供が家庭以外で初めて接する大人である。先生が自分をどう見ているか子供は繊細に感じている。子供の立場に立って接する先生とは、深いつながりが生まれ、生涯を通じて優しい思い出となる そんな個人的感慨を思い出させた映画である。

② 撮影の美しさ
撮影は、名手木村大作である。この人は黒澤明の撮影助手から出てフリーとなった人で、過酷な自然を美しく撮った『八甲田山』、『剣岳 点の記』等が印象に残っている。北海道利尻島の自然の美しさを捉えた本作も素晴らしく、特に海の表情を丁寧に撮ってあるところは良かった。


ミステリィだが影の部分は淡い色合いである。いろいろ注文もあるが、本作品は個人的な思いが膨らんで楽しい時間が過ごせた。川井郁子演奏のヴァイオリンの曲が冒頭から流れ、自然と対峙するような厳しいバッハ風の曲で緊張を高めている。
未見の方も、充実した時間を過ごせると思うので観られる事をお薦めします。

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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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