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映画「カルフォルニア・ドールズ」(1981年)

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登場人物のしたたかさや意地を見せつけるところが小気味良く、ラストは手に汗握る


1982年の封切り時に「ロッキー3」との併映で観たことがある。当時は二本立が普通でしたね。期待していた「ロッキー3」の方は、プロレスとの異種格闘技でハルク・ホーガンも登場し大迫力だったが、型通りの筋書きでさほど面白くなかった。
一方、「カルフォルニア・ドールズ」の方は、意外性があり拾い物であったと連れ合いと話した事を憶えている。

原題は“…All the Marbles”である。これは「満額の賞金」を意味するAmerican idiom(米慣用語)だが、海外で解からないからと、後に“the California Dolls ” に改題された。
女子プロレスラー2人組タッグ・チームがピーター・フォーク演じるマネージャーと一緒にアメリカの田舎町(オハイオ州やイリノイ州)を興行で廻り、栄光のチャンピョンの座を目指していくロード・ムービーである。
80年代初頭のうら寂れた不況下で底辺を這いつくばりながら、体を張って上を目指して生きていく人々のしたたかな生き様がしっかり描かれており、流れゆく人生を感じさせる味わい深い作品となっている。

ハリー(ピーター・フォーク)は、女子プロレス カルフォルニア・ドールズのマネージャー兼プロモーターで、狡猾でしたたかな男である。美人のアイリス(ヴィッキ・フレデリック)とモリー(ローレン・ランドン)を連れ、次の興行先と口八丁の売込み交渉をしながら、オンボロ車で巡業の旅をしている。ファイトマネーは150~250ドルしか得られず、ピンハネされる事もしばしば。モーテルに泊まり、安ファミレスで食事の日々である。
この映画では、この三人が主役なのだが、ピーター・フォークが時に凶暴で、煮ても焼いても食えない口達者なトボケタ役を演じて頭抜けている。

ドールズは、薄汚い会場で女子プロレスは胸と尻を見せていれば、観客は喜ぶといった観客相手に、いつかは大舞台での試合を夢見て精一杯のファイトを続けている。
ミミ萩原たち日本人タッグとの闘いで必殺技を学び、北米一位のトレドの虎とのファイトでも一勝一敗の試合をするようになった。
しかし金のため、おっぱいも露わになる泥レスのキャット・ファイトを強いられた時は、アイリスは誇りと自尊心もズタズタになり、怒ってハリーに食って掛かるのだった。
しかし、これが転機になったのか、三人で力を合わせる大切さに気付き、ドールズは連戦連勝し、全米三位にまでランクが上昇していく。

ラストは、ネバタ州リノのMGMグランドホテルでトレドの虎と激闘のクライマックスである。リノ市は、“世界で一番大きい小都市”と呼ばれるラスベガスに次ぐ華やかなカジノ都市である。
試合は30分で、TV中継も行われる優勝賞金1万ドルの北米タイトルマッチである。
ハリーはサイコロ賭博で金を作り、ドールズに派手な演出を施す。銀の白鳥のような豪華絢爛な衣装で登場させ、買収した子供たちにドールズ応援歌を歌わせ、観客を大いに盛り上げていく。ここは大変コミカルで面白い。
試合はたっぷり描かれており、レフリーまで敵にしながら、手に汗握る激戦の末、最後の最後で回転逆海老固め一発でドールズが逆転勝利し、タイトルを手に入れて終わる。

話を読むと、トントン拍子でアメリカン・ドリームを獲得する単なる成功談に聞こえるが、映画は全般に薄暗さが強く支配している。当時は、アメリカは財政と貿易の双子の赤字で不況だった頃である。
ハリーは仕立て屋をやっていたイタリア移民の子で、車の中でレオン・カバレロ作曲のオペラ「パリアッチ(道化師)」を繰り返し掛けている。二人に、これは旅から旅に田舎町をまわって巡業をしている座長の悲しみを歌った曲で、それでも人は生き続けるんだと語っている。
この曲が通奏低音のように流れ、アルドリッチ監督の苦難に満ちた映画作りとも一脈通じた「苦しくとも生き続けるんだ」との主題が、じわっと胸に沁みて余韻を残す。

映画の見所は、本物と見間違うほどのレスリングのシーンで、リングの下からと真上からの撮影で、空中戦もたっぷりでバックドロップやラリアット等の大技も多く、とても俳優の演技とは思えない迫力に感心した。
ヴィッキ・フレデリックとローレン・ランドンは、レスリングのトレーナーについて、しっかり練習したとある。CGも無い時代で、全景を写した映像では強靭な体力が無いとごまかしも効かないだろうと思わせられた。
ヴィッキ・フレデリックは、運動神経が良いのだろう。この後、「コーラス・ライン」で主要なダンサーの役を得ている。
ローレン・ランドンは、金髪美人で鎮痛薬中毒の弱い心の持ち主の役だが、やや印象が薄い。

「カルフォルニア・ドールズ」は、ショーの要素が強いプロレスの世界を取り上げて、演出と本気の闘いの虚実を選手、セコンド、興行主らのエゴとしたたかさを交えて巧みに描き、単純な活劇に終っていないところが良いと思う。

監督は、ハリウッド映画界でくせのある人達を描き続けた反骨のロバート・アルドリッチで、「攻撃」(1956)、「ふるえて眠れ」(1965)等の作品を作った人だが、これが最後の作品となった。彼は日本を舞台にした続編も計画していたようだが、実らなかった。

ところで、80、90年代に日本でも大変人気のあった女子プロレスは、最近はトンと見ないナァ。どうなったのだろうか。

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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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