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天空の音楽 有元利夫の絵画


スタイルの確立により
空から花が舞い降りるように画才が溢れる


有本利夫3


皆さんは、現代画家 有元利夫氏(1946~1985)のことを御存知だろうか。デンオンのバロック音楽CDの表紙に彼の絵が載っている。くすんだ金色を背景にふくよかな人物が浮遊しているフレスコ画風で西洋古典絵画そのものと思っていたが、作者は何と日本人である。
TV放送でその短い生涯を知り、是非実物を観たいと願って、3年前に「有元利夫 没後25周年展」(東京都庭園美術館)を観に行ったことがある。

今週の日経新聞日曜版に彼の特集が載っていた。彼の絵を観に行った事を思い出したので、少し書いて見たい。

経歴は、1946年東京都台東区生まれ。69年東京芸術大学美術学部デザイン科入学。85年病没。約10年間の短い画業生活であった。

◆◇ 天使が降りてきた ◇◆
観て思ったのは、彼はバロック音楽に囲まれて、絵を描く事が本当に好きだったと言うことです。
小学校4、5年生の時、ゴッホに夢中になり、彼を模倣した絵、「月星夜」と「木片に描いたもの」が展示されていたが、油絵の具の鮮やかさがとても印象的である。実家が文具店で、たいていの画材は揃ったようだが、油絵の材料は無く、親にねだって買ってもらった絵具を使う喜びが作品から感じられた。これらを今日まで保存しておいた親の愛情の深さもうかがえた。
小学生の時に東京都美術展で特賞を得ており、幼い時から確かな絵の才能を有していたようだ。

◆◇ 独自のスタイルと出会う ◇◆
東京藝大に入学するのに4回落ちて5回目の挑戦でようやく合格している。この経験は、彼に暗い影を落としているのかと気になったが、作品からは屈託無さと透明さが伝わり、暗さは全く感じられなかった。
大学3年生の時、イタリア旅行で観たフレスコ画に魅せられて、彼の絵のスタイルが決まった。フレスコ画は、真っ白な漆喰の壁に顔料を染み込ませて描く手法で、独特な絵肌となる。彼は、日本の岩絵の具と西洋の油絵の具の和洋の組合せをキャンバスに試み、自分の世界を創り上げた。
卒業制作の「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ」連作10点は、彼の画風を決めた作品となっている。
その後、抽象性、簡潔さ、明解さを高め、次々と作品群を産み出している。

作品の中では、「花降る日」(1977)、「厳格なカノン」(1980)が大作で独特の浮遊感があり、大変魅了された。
落ち着いた色彩、全体ではバランスのとれた構図、金箔の鮮やかさ、軽やかさ、西洋絵画のボリューム感は無いけれど、心に届く静謐さ、透明さをどの作品からも強く感じた。加えてバロック音楽との繋がりも深いものがある。
自分のスタイルを作り上げる事、これは自分の才能の鉱脈を掘り当てるみたいなもので、芸術に限らず本当に大切な事であるナと感じた次第である。


夏の暑い午後訪れた庭園美術館は、緑の多い公園の中の落ち着いた小さな建物であり、間近に作品を見ることが出来て、親近感を感じて心地よかった。パリのオーランジェリー美術館が似た感じである。
作品展を観て、無いものねだりではあるが、将来彼の名前を冠した常設美術館が出来れば良いなと思ってしまった。

有本利夫2
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