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映画「ノア 約束の舟」(2014)

ノア (800x530)

暗い主人公に感情移入できなかった


ネタバレがあります。

聖書に題材を取った物語に人々は何を期待するのであろうか。私は、壮大な、想像でしか感じられない聖書の世界をのぞき見る事と、人々の信仰の原点を感じ取ることが出来ればと思い観に行った。ノアの方舟の話は、ジョン・ヒューストン監督の大パノラマ映画『天地創造』(1966)にも描かれていた。こちらでは、監督自らが敬虔な老ノアを演じ、黛敏郎の広大な映画音楽も素晴らしかった事を憶えている。

本作は、CGと実写が混じった壮大な映像には感心したが、首尾一貫していないストーリーには痛く失望した。ダーレン・アロノフスキー監督は、『レスラー』(2008)、『ブラック・スワン』(2010)で、華やかな世界に対して人間の孤独を深く見つめていたと感じていたので、本作にも予期せぬものがあるのではと期待していたが、裏切られた。

『ノア 約束の舟』では、主人公ノアは信仰に厚い敬虔な人物ではなく、虚無的な極端な環境主義者(エコロジスト?) として描かれている。彼は、長寿の老人というより、ラッセル・クロウが演じているせいかグラディエーターの様に戦闘的で、アダムとイブを誘惑した蛇の抜け殻を腕に巻き付け呪術的に息子に魔術を伝承し、腐敗した人類の抹殺をひたすら自分の使命と思い、孫まで殺すと宣告する。ここまで来ると、こちらも引いてしまい、方舟を盗もうとする地上の王 宿敵トバル・カイン(カインの末裔)との戦闘も、派手なアクションの割に肩入れ出来ずに楽しめない。非道なカイン達が意外と人間らしいと感ずるところもあった。
全く宗教色が感じられず、ノアが方舟を造る契機も神のお告げというより夢に見た情景から行動を起こしている。神への問いや対話も無い。

彼が建造する方舟は、旧約聖書創世記に描かれている通り、長さ133m, 幅22m, 高さ13mと巨大で、内部が3階建てのものである。映画では実寸のものを1/3ほど造って撮影したとあり、リアルな壮大さがある。
しかし、この建造を担ったのが、巨大岩石ロボット風の堕天使ウォッチャーであり、ノアに味方して先ほどの戦闘にも参加し、ファンタジー風の活劇に変質してくる。
また方舟に乗せる動物たちが、お告げに従って自発的に乗り込んでくる様子もご都合主義でどうかなと思えた。

大洪水で嵐の海を乗り越えて、方舟は山の麓に漂着する。主人公は生まれたばかりの孫を手に掛けるかと思いきや思い止まり、家族愛の物語に転化してしまう。


このように映画では、方舟の実写が売りのようでもあり壮大だが、ストーリーは宗教を描きたいのか、ファンタジー物語か、はたまた家族愛の物語なのか、監督の意図がどこにあるのか解らないままに終わった。
時代に合った宗教商業映画を作るのは、難しいナと感じた次第である。



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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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