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映画「娘・妻・母」(1960年)

娘妻母

幸福な家庭は似たものだが、不幸な家庭は夫々違った様相である。
「アンナ・カレーニナ」 トルストイ



昭和の大女優 原節子さんが亡くなられたとのニュースが流れた。
私とは世代が違っていたが、フィルムに見る彼女の笑顔は、いつも光り輝いていて、こちらが眩しい、気恥ずかしいと感じさせる方であった。
若くして引退された理由は定かでないが、『東京物語』で「私、お父様が思っているようなそんな女では、ないんです。もっとズルい女なんです。」とのセリフに感じられる善い人の役柄と実像とのギャップもあった様に感じていた。
享年95歳、ご冥福をお祈りしたい。

彼女が出演している「娘・妻・母」を観た。今夏に録画していたものである。
成瀬巳喜男監督のカラー作品を観るのは初めてである。
ありふれた穏やかなホームドラマかなと思っていたところ、途中から長女の夫の交通事故死や叔父への融資の焦げ付きで家土地を失う事態が起こり、ドラマが急展開を見せる。オブラートに包んであるが、嫁姑、親兄弟のエゴイステックな面が描かれて感心した。人間を冷徹に見つめる成瀬監督の冴えが感じられた作品であった。


東京山の手の中流家庭(お手伝いさんが居るから中の上か)、上原家を舞台にしたドラマ。
母親 三益愛子
長男 森雅之 その妻 高峰秀子
三女 団令子

幼稚園児を加えた5人家庭に、交通事故で夫を亡くした長女が出戻ってくるところからドラマが始まる。別居し家庭を築いている子供達がサラサラと紹介され、三益愛子の還暦祝いや仲代達矢の原節子を慕う恋模様が暖かく描かれる。
長女 原節子
次女 草笛光子 その夫 小泉博 姑 杉村春子
次男 宝田明 その妻 淡路恵子

長女は生命保険金を持参したが、兄弟姉妹が聞き付け借用を頼む。
森雅之は、町工場を経営している妻の叔父に融資し、利息を生活の足しにしている。その叔父が倒産、失踪し、森雅之は抵当に入れていた自宅の家土地を明け渡さないといけない事態に陥る。
兄弟姉妹は、父親が亡くなった時の相続分を声高に言い立て、長男はそれなら母親の面倒も均等だと言い出す始末で収拾がつかない。行き場が無い母親の悲しみが伝わってくる。
成瀬作品らしく明快な結末は無いのだが、流されていく日常が余韻を残し印象的であった。

優れていたのは、オールスターのアンサンブル映画らしく母親、兄弟姉妹の性格が鮮やかに均等に描かれていた点である。原節子の演技も控え目であるが光り輝いていた。
一番光っていたのは、三益愛子と杉村春子の二人で、老いの寂しさ含めて男性側からは絶対敵わないと思わせる母親役である。

最近、溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜男監督の作品を良く観ているが、成瀬作品はきめ細かな日常の中に等身大の普遍的な人間が描かれており、古さを感じさせないものが多いと感じている。


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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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