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映画「ヘイトフル・エイト」(2016年)

ヘイトフル・エイト

密室ミステリーとしては肩すかしだが、行方不明の猫は気に掛かる



タランティーノ監督の新作8作目である。西部劇の密室ミステリーという事で大いに期待して観たのだが…。

南北戦争が終わって数年後、雪で覆われたワイオミング山岳地帯が舞台。
映画は6章立てとなっていて、各タイトルは以下の通り。
1. レッドロックへの最後の駅馬車
2. ロクデナシ野郎
3. ミニーの紳士服飾店
4. ドメルグには秘密がある
5. 4人の乗客
6. 黒い男と白い地獄

雪で覆われた白銀の世界を、賞金稼ぎジョン・ルース(カート・ラッセル)が盗賊団の女頭デイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)をレッドロックへ連行すべく駅馬車を走らせている。
この馬車へ黒人の賞金稼ぎ、3死体を運んでいる、マーキス・ウォーレン元少佐(サミュエル・L・ジャクソン)と自称新任保安官のクリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)が乗り込んでくる。二人とも雪で馬を失い拾ってもらった。
猛吹雪が襲いつつある中、一行は途中のミニーの紳士服飾店に寄り一泊することとなるが、そこには4人の先客が控えており、ドラマの幕が上がる。


不満だった点
(1) ミステリーとしては中途半端
馬車の4人と店の4人が、どれも皆怪しげで、訳ありの過去を持っていそうで、誰が味方で誰が敵か、ドメルグを奪還しに来たのは誰か 謎は深まって行くかと思いきや、意外にも途中でネタバレをしてしまい、大殺戮のアクションに移って行ったので、ミステリーとしての感興は乏しかった。

(2) 単調な会話劇
前半は、やや単調に感じられる会話劇で、リンカーンの手紙等の気を引くネタはあるのだが、南軍vs北軍の残虐描写はイメージが浮かび辛かった。
後半は、監督はこれが描きたかったのかと思わせる“毒を盛られてブファーと血を吐きだす場面”や“頭がカボチャのように銃で吹き飛ばされる場面”とかスプラッターシーンのオンパレードで血みどろの描写が続く。
観ている時には面白いのだが、数日経ってみると、問答無用に殺しまくるのに決闘の打ち合いのルールを採ったり、ご都合的でドウかなと思えた。

(3) 西部劇なのか?
本作品は、西部劇の体裁を取っているが、その実は現代劇に思われる。
①男が、犯罪者とはいえ女をやたらと殴る(女も負けてはいないが)、更には首吊りまでする。ここはレディ・ファーストの国か?
②黒人が賞金稼ぎとは?黒人が白人の犯罪人を狩るとは逆じゃないの。また北軍の黒人将校が南軍の白人敗残兵を虐殺、いたぶるとは、これまた逆じゃないの。

『猿の惑星』みたいに逆転の構図である。
「おまえには分かるまい。この国で黒人が直面する恐ろしさを。黒人が安全なのは白人が丸腰の時だけだ。」と悲哀を黒人ガンマンに語らせているが、現代のお話でしょうとツッコミを入れたくなった。

優れていた点
(1) 8人の個性が際立っていた
8人も出て来て覚えきらないじゃないかと思ったが、個性派揃いで杞憂であった。
ジェニファー・ジェイソン・リーは、殴られてばかりで目に隈を作っている姿から30台女性と思っていたが、今年アカデミー助演女優賞にノミネートされ54歳と知って吃驚した。
名優サミュエル・L・ジャクソンは、頭が薄くなりチリチリ髪にも白いものが目立ち、老いたな思わせられたが、アクの強さは相変わらずで圧倒的な演技力である。

(2) 美しい撮影
冒頭、雪の中 駅馬車が近づいてきて手前の雪を被ったキリスト木像が写されるシーンなど70mmでの撮影は美しさ満載である。一転、ミニーの店での群像劇も重厚で愉しまさせて頂いた。

(3) 素晴らしい音楽
巨匠エンニオ・モリコーネの音楽は、重厚かつリリカルで期待に違わぬ素晴らしい響きであった。冒頭シーンのオルガン的な響き、管楽器が鋭く歌うところや重々しい男声合唱など、洗練度を増したモリコーネ節が満開で嬉しくなった。
彼は現代音楽と映画音楽に注力していて、映画音楽は500本近くと多作で知られている。個人的には、60年代の『夕陽のギャングたち』、『アルジェの戦い』、『わが青春のフローレンス』あたりがお気に入りなのだが、美しいメロディーと現実の響きを組み合わせた斬新な音楽は魅力に溢れている。
本作でアカデミー作曲賞を初受賞した。メモを見ながらイタリア語で家族への感謝をシャイに述べていた姿を観た時は、本当に良かったと思った。


本作は、部分部分では好きなところがあるが、全体としては何故今のこの映画が作られればならないかが解りにくく、期待はずれであった。
それからユーモア感、『夕陽のギャングたち』でイーライ・ウォラックが演じたようなユーモア感覚を持ち込めれば、ウォルトン・ゴギンズに担わせても良かった、もっと深みを増せたのでは感じた次第である。
それにしてもミミーの店のトラ猫の行方が気になった。

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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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