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映画「不滅の恋/ベートーヴェン」(1994)

不滅の恋

 昨日も今日も 涙 と共にあなたを想う
 あなたは私の生きる命
 私のすべて
  さようなら 私を愛し続けて



 今年は雪が降ったり急に暖かくなったりと気候の変化が大きく振り回されるような感じです。年末から手足の冷えを感じるようになったので、ためしてガッテンで紹介された血管伸ばし体操を始めています。これは効果ありです。
年を取ると良いこともあり、30年間苦しんだ花粉症が無くなったのは嬉しいことでした。


 作曲家ベートーヴェンの伝記映画は幾つかあるが、本作はミステリー仕立てのストーリーと美しい音楽が相まって魅せる映画となっている。

 1827年3月ベートーヴェン(B)は56歳の生涯を終える。棺を大勢の群衆が取り囲んで葬儀に運ぶ様子が描かれる。ここには若きシューベルトも参加したと聞いたことがある。
遺書「全ての楽譜、すべての財産の相続人は、わが不滅の恋人ただ一人である」 
彼の忠実な秘書アントン・シンドラーは、Bの弟ヨハンの「自分のものだ」との主張も退け、遺書に書かれた不滅の恋人を見つけるべく、三人の女性たちを訪ねる旅をしていく。
①ボヘミア カールスバートのスワンホテル/Bとの遭瀬で行き違になった黒いベールの婦人
②ウィーン フォン・ガレンブルグ邸/テレーゼとヨゼフィーネ姉妹
③ハンガリー エルデーディ家領地/エルデーディ伯爵婦人
彼女らの思い出を通じて、Bの生き様や作品が鮮やかに描かれる。

 ベートーヴェンは楽聖として、古典~ロマン派音楽の創出や人類愛を願ったなどと褒め称えられ神格化された姿が流布されていて、個人的には胡散臭さもあり敬遠気味であったが、ここに描かれるのは欠点の多い傲岸不遜な人間である。
女中のような下級階層の人々には傲慢で、突如怒り出すわ物を投げつけるわで、貴族に対してもへつらうことなく馬鹿にし強情な態度をとる。友達にしたくないタイプである。 

 映画では、Bの生活が何と暗く惨めで、それに対し彼が創り出した音楽は素晴らしく美しいという対比が際立っている。
暗い影を落としているのは、アル中のステージパパに振り回された少年時代もあるが、何より耳疾と甥カールとの関係である。
27歳の頃より始まったと言われる難聴は、ハイリゲンシュタットの遺書に生々しく苦悩が書かれている様に、中年以降は殆ど聞こえず筆記板を使った対話を行っている。
この映画でも聞こえないことによる聞こえる側との断絶が深いことが描かれている。彼の音楽が、耳で聞いて心地よい響きでなく、観念的に同じ主題をしつこい位発展させ内面を深く見つめているのは、ここから来ているのだろうと思い至った。

 弟カスパルが肺病で亡くなり、甥カールの親権を母親と裁判で争って勝ち取り、後見人となる。教育パパとなり、4-5年は作曲も行わなず、カールに音楽を教え込むが、才能がないカールは過剰な期待に耐えられずピストル自殺未遂を起こす。
甥カールへの屈折した愛情は、Bに深い傷を負わせた。

 不滅の恋人は誰かという事が大きな主題で、これでグイグイ引っ張っていくが、何故甥御に執着したかも含めて、最後に意外な謎が明かされる。ここで、種明かしはしないが、Bは上昇志向の強い人で自分より身分が上の貴族しか目を向けていなかった様なので、結論だけを見ると、それは無いだろうとの思いを強くした。
映画は、主人公を演じたゲーリー・オールドマンが直情傾向型の傲慢で晩年は落剝していく姿で魅せたが、後半はミステリーから偉人伝風に変わって行くので、既視感を覚え興を削がれたのは残念であった。

音楽はピアノ協奏曲第5番、クロイツェルソナタ、交響曲第7番、第9番等々の第二楽章が多く用いられて、こんなに美しかったんだと見直すことが多かった。
監督バーナード・ローズは、後に『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』を作っており、クラシック音楽に造詣の深い人のようだ。


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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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