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映画 「孤狼の血」(2018)

孤狼の血

骨太のストーリーに最後まで惹きつけられた


採点 ★★★★

 東映がヤクザ映画を作ったというので早速観に行きました。さほど期待していませんでしたが、予想以上に面白かった。
『仁義なき戦い』等の実録路線を作っていた東映の血が、未だ脈々と残っていたことも嬉しい誤算でした。大学生の時、試験の合間を抜って上記シリーズ全五作を追っかけて観ていた頃を思い出し懐かしく思いました。
左翼とか反体制とかいった夢が瓦解してしまった時代で、『仁義』シリーズは暗い情念を抱えて観入って、心をわしづかみにされた作品群でした。

 昭和63年、広島県呉原市の警察署で大友巡査部長(役所広司)に広大出の新人 日岡巡査(松坂桃李)が転属される。マル暴対策の刑事達である。
呉原市では、地元の尾谷組と広島市の五十子(いらこ)会、その配下の加古村組とが抗争の火種を散らし始めている。
大友らは、加古村組配下のマチ金融の経理士失踪事件を探っていく中で、加古村組員が拉致に関わっている事を突き止める。大友の捜査は、ハチャメチャでヤクザ世界にも入って金と情報を取り、捜査のためなら放火・窃盗・違法侵入などの違法行為も平気で行う。相棒の日岡は驚き、反撥するも、必死で付いて行く。
 尾谷組の若い者が殺されたことをきっかけに、両組の対立は激化し、全面戦争に至ろうとする時、大上はこれをくい止めようと尾谷組に乗り込み、失踪事件から加古村組を壊滅させると三日間の猶予をもらうが‥‥。

 養豚場でのリンチやヤクザ抗争の凄惨な場面、クラブ梨子での真木よう子ママのきらびやかな世界、警察内部の対立と暴力団との癒着、日岡の恋模様と骨太の描写が続き、観る側を飽きさせないのには感心した。
 
 また、これは黒澤明監督が『七人の侍』や『椿三十郎』で好んで描いた青二才とベテランの物語であり、ベテランが指南し、青二才が次第に成長していくドラマでもある。
しかし、そのような美しい物語は避けて、前半頼りなげに見えた松坂桃李が後半 役所広司を凌ぐモンスターに変わっていくところは、驚きでもあり惹きつけられた点でもある。
 大友の過去が謎であり、日岡が本部検察官から彼がつけているノートを探すよう密命を帯びていたが、徐々に大友の人となりが明らかになり、ノートは警察上層部の腐敗を記録したものと解ってくるところも良かった。

 映画は、勧善懲悪ではなく、善と悪が入り乱れたドロドロした世界を描いており、荒い粒子のザラザラした画面は、昭和の世界をうまく再現しているナと強く惹きつけられた。
えげつない描写はさほど印象に残っておらず、結末が予想できずグイグイと引っ張る力技が気に入った作品である。



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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

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