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「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」(2018)

トーニャ

フィギュアスケートの華やかさと主人公の逞しい人生に胸打たれた


採点 ★★★★★

 1994年リレハンメル冬季オリンピックの女子フィギュアスケートは、リアルタイムで観ていただけに忘れられない大会でした。
米国のトーニャ・ハーディングが競技中に靴ひもが切れたと審査員に泣いて訴える場面は、前代未聞で啞然としました。ライバルのナンシー・ケリガン殴打事件は、当時は良く知らないままでしたが。

 そのトーニャ・ハーディングを主人公にした映画という事で早速観に行きました。
観る前は単なるスキャンダル映画かなと思っていましたが、抜群に面白かった。
登場人物は主に4人なのですが、それぞれの主張が、自分を守ろうとしているために微妙に違い、それをそのまま提示して観客に判断を委ねるやり方をしている。
その結果、ステレオタイプでない、奥行きのある人物像が浮かび上がってきていました。加えて、アメリカ社会の下卑で酷薄な面や主人公の逞しさも描かれていて、感心しました。

トーニャは、オレゴン州ポートランド出身。西海岸の北の方です。ホワイト・トラッシュ(White Trash)という言葉があり、貧困白人への蔑称で倫理的にも劣っている人々を指しているそうです。それにしてもクズ白人とは、他人に厳しいプロテスタントの匂いがする酷い言い様です。
トーニャ・ハーディングもナンシー・ケリガンも貧しいホワイト・トラッシュ出身でスケート競技により、親と二人三脚でここから抜け出そうと努めていました。

トーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)は、3歳でスケートを始め、母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)の熱意もあり、コーチ指導の下、これに打ち込み頭角を現します。父親とは、一緒にウサギ刈りをしたりと親密な様子でしたが、幼い頃に家を出て行ってしまいました。
母親は毒親と言っても良い冷徹な人間で、暴力沙汰が絶えない家庭環境です。トーニャは15歳の時にリンクでジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)と出会い恋に落ちます。
暴力とヨリを戻す生活の繰り返しの中、彼と結婚し、転機が訪れます。1991年全米選手権で米史上初めてトリプルアクセルを成功させ、(世界初は日本の伊藤みどり選手)失敗と猛トレを経て、問題のオリンピック大会に臨むのでした。

ジェフには、自称諜報員と名乗る怪しげな友人ショーン(ポール・ウォルター・ハザー)がおり、予選会にトーニャ殺害予告の脅迫状が届き、これを相談したことから、事態は大きく動き始めます。

 映画で感心したのは、
①主人公の逞しさ
オリンピック後の殴打事件裁判で、生涯の全米スケート協会登録抹消が言い渡される。「無学な私には、スケート以外には何もない。刑務所に収監されても良いから、それだけは避けてほしい」と泣きながら訴える姿には胸が詰まりました。
事件の真相は、本当のところはわかりませんが、映画ではトーニャ自身の関与が少ないと描かれていただけに可哀想な気がしました。

しかし、この主人公は逞しい。夫婦喧嘩でも、殴られる一方でなく、ライフルをぶっ放して亭主を威嚇しているし、「当時、ビル・クリントンに次いで有名だった」と語るように、事件後はプロボクサーになって己を大衆の好奇の眼に晒してでも生き続ける道を選んでいる。また現在は園芸業で一人息子を育てているとの事である。
こういう生き様をみると、暗い残念な気持ちから、天晴れと励ます気になってくる。

②不気味な脇役たち
 映画の最後に当時の本人たちの映像が流れるが、役者がそっくりに似せていたのが印象的だった。
母親役のアリソン・ジャネイは、毛皮のコートを着て肩にインコを載せてインタビューに答えているところなどは、不気味な感が満載である。
トーニャがスキャンダルで家を報道陣に囲まれている最中、彼女を訪ねて、「私だけは味方だから」と言って、「で、本当は事件を知っていたの ? 」と尋ねる。
訝しんだトーニャが彼女のポケットを探ると、録音機が出てくる。我が子をマスコミに売ろうとする姿には啞然とさせられた。

 ジェフの友人ショーンは、「世界を股にかけて人質を救出し、地下組織でスキルを磨いたエージェント」と称し、妄想気味の悪だくみを語り合う。この二人は、軽いんだけれど、ボタンの掛け違いのように悲惨な方に暴走していく。
喜劇のように見えて、悲劇に転嫁していくところが凄いなと思った。


 映画の主役は、やはりマーゴット・ロビーのスケーティングである。オリンピックの舞台など緊迫するシーンを身体を張って演じて、見応えたっぷりであった。
それから主人公が一人の男のみに執着するのは、好きだった父親の影響が大きいのかなと思わせられた。

皆様にも是非お勧めしたい作品です。



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プロフィール
映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

Author:ボクダノビッチ
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