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映画「レッズ (REDS)」(1981年)

レッズ



「世界を揺るがした10日間」で1917年のロシア革命をリアルタイムでルポルタージュし、世界を驚かせたジャーナリスト、ジョン・“ジャック”・リード(1887~1920)と、その妻ルイーズ・ブライアント(女性解放運動家)の実話に基づいた物語である。
レッズとは、共産主義者の事。

この映画を観て、ジョン・リードの二つの悲劇を強く感じた。
一つは、ジャーナリストであるリードが、労働運動に巻き込まれ、そのリーダーになってゆき、その役目から抜けられなくなった事である。映画の中で「世界を救う事は、キリストでも出来なかった」、妻から「あなたは作家よ、運動家ではないハズよ」等の発言が痛い。

もう一つは、希望の星と信じたソビエト政府から、リードは世界に向けての共産党の宣伝マンとして利用され続けた事である。二度目にソビエトへ潜入したジャックは、ソビエト政府から「政治的好機を何故生かさない」とアメリカ帰国を許されず、モスクワで死去するに至る。享年33歳。彼はクレムリンに葬られた唯一のアメリカ人である。
自己責任と突き放して非難も出来ようが、大きな歴史の渦に飲み込まれて行く姿は、悲劇的である。

映画は、二人を知っている現存の老人達に当時をインタビューするシーンから始まり、時折り彼らの回想が挿まれる。老人達の深く刻まれた皺や言葉足らずの発言が、深い味わいを出している。

第一次世界大戦の最中、アメリカのジャーナリスト ジョン・リード(ウォーレン・ベイティ)は、著作家のルイーズ・ブライアント(ダイアン・キートン)と知り合う。ルイーズはラジカルな考えのジョンに惹かれ、歯医者の亭主を捨て一緒になる。
NY グリニッジ・ビレッジの家には、多くの政治活動家、芸術家が集まり、ジョンも労働運動や反戦を求める政治活動に巻き込まれて行く。
劇作家のユージン・オニール(ジャック・ニコルソン)やリトアニア出身のアナーキスト、フェミニストのエマ・ゴールドマン(モーリン・ステイプルトン)等が登場する。
この女闘士は、後に投獄されフーバー(後のFBI長官)によりリトアニアへ追放される。演じたモーリン・ステイプルトンは、毅然と信念を持って行動する女を好演し、アカデミー助演女優賞を受賞している。

当時、民主党ウィルソン大統領は、不戦を表明していたが、後日アメリカの参戦に転ずる。ここらあたりの様子が、詳しく描かれている。

ほどなく二人は、大戦の欧州からロシアに渡り、1917年の10月革命でボルシェヴィキが政権を奪取するのに立ち会う事になる。リードは、この世界的大事件や主導者レーニンへのインタビュー、政治集会の記事等を書いて、世界に発信して行く。

帰国後、ロシア革命に鼓舞された二人は、アメリカでの革命を望んで、社会共産党の活動にのめり込んで行く。しかし、党の右派と左派の分裂、主導権争い、除名等で活動は混沌とし、政府の共産主義者への取締りも強まっていく。
ジョンは打開のため、ソビエト共産党に公認を求めに、再びロシアに潜入する事になるが…。
ジョンとルイーズの大河小説のような別離と再会の愛情劇もこの映画の大きな柱となっている。

辛口に言えば、この映画はエピソードを詰め込みすぎで、冗長すぎると思う。
今回、DVDで2回目を観たが、前編、後編で195分もある。編集が優れていれば、もっと緊張して観れただろう。記憶が定かではないが、昔観た時は、ロシアの駅でジョンとルイーズが再会するところで終わっていたと思う。

それから登場人物が皆、中流階級で比較的豊かで、アメリカやロシアの労働者の姿が殆ど描かれていない点も不満である。ジョンが何故労働運動を目指すのか、観念的である感じが否めない。

ロシアに向う列車の中でのジョーク。
  きこりの親方が、男を募集したら大勢来た。
  小男がいたので尋ねた。
  それで何千本も切り倒せるのか。前はどこに?
  サハラの森に。
  サハラ砂漠か?
  俺が砂漠にした。
ジョンが話すが、あまり笑えない。

この映画を観れば、アメリカの労働運動、ロシア革命、世界革命を目指すコミンテルン大会の様子などが伺い知れる。ロシア語が解からない二人が、ロシアでどうにか英語が話せる人を探し、民衆の決起集会やソビエト共産党幹部へ体当り取材を行っている事には感心した。

製作、監督、主演したウォーレン・ベイティは、この超大作でアカデミー監督賞を受賞した。彼の情熱と馬力が作り上げた作品である。

1998年だったか、エリア・カザン監督がアカデミー名誉賞を受賞した時のことを思い出した。赤狩りで仲間を売ったとして、出席者もスタンディング・オベーションで賞賛する人と座ったまま、拒絶する人で賛否相半ばし、ウォーレンは立ち上がって拍手する側だった。リベラルな人だとの印象が強い。

theme : 映画感想
genre : 映画

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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

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