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映画「エンゼル・ハート」(1987年)

エンゼルハート


題名から暖かなヒューマン・ドラマを想像する人もいるかも知れないが、悪魔が登場するオカルト映画である。ハートとは心臓の意味である。

第二次世界大戦後のニューヨーク、ニューオリンズを舞台に、暗いムードの緊迫感、恐怖感たっぷりの上質な一篇に仕上がっている。アラン・パーカー監督
私立探偵が謎を追っていくサスペンス仕立てで、モザイクを埋める様に謎が少しずつ明かされ、最後に意外なドンデン返しとなって、最初に知識無く観た時は、本当にビックリした。謎解きが解り難い所もあり、二度観て概ね理解出来た。

1955年のニューヨーク、しがない私立探偵ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)の下にワインサップ・マッキントッシュ法律事務所から調査依頼がある。依頼主はルイス・サイファー(ロバート・デニーロ)と名乗り、詳細は明かさないが、昔契約した戦前の人気歌手ジョニー・フェイヴァリットの調査を依頼した。
ジョニーは43年に徴兵され北アフリカで頭と顔に負傷、帰国し、植物状態で入院しているとの事、生死を確認したい。

調査を引き受けたハリーは、NYのハーベスト記念病院を訪れる。主治医のファウラー医師を訪ねると、ジョニーは記憶喪失で43年12月にケリーと名乗る男と若い女が連れ去っている。医師が惨殺され、当時ジョニーが付き合っていた占い師マーガレット(シャーロット・ランプリング)を追って、ニューオリンズに向う。
当時の関係者のマーガレット、スパイダー楽団の同僚ギター奏者のトゥーツを訪ね、黒人の愛人イバンジェリン・プラウドフッドの墓で17歳の娘エピファニー(リサ・ボネー)に出会う。周りで事件が起こり、関係者が次々と惨殺されていく中で、ハリーが捕えた真実とは…。
若い頃のスリムなミッキー・ロークは、色んな表情を見せて好演である。

この映画には三度びっくりさせられた。一度目は、デニーロ演じる悪魔の出現、髭を生やし、爪を異様に伸ばし、重々しいステッキを持っている。雰囲気ピッタシで事件を操っている。
二度目は、ハリー=ジョニーという構図。悪魔と取引して有名歌手となったジョニーが、黒魔術を用いて、拉致したハリーの心臓を喰らい、ハリーに成り変って、悪魔から逃れようとする。アイデンティティの交代。
探偵となったハリーは、悪魔の手引きで見知らぬ自分探しを始める。
三度目は、最後の場面でジョニーの娘エピファニーの連れた幼子が、眼が黄色く光り、悪魔の子である事を暗示するシーンで、本当に不気味であった。

しかしながら、時系列がどうなっているのか、NYタイムズスクエアで兵隊ハリーを拉致し、古文書の儀式を行なったのは誰か、ジョニー、マーガレット、その父、トゥーツの4人らしいが、やや明確でない点がある。

悪魔と人間の契約の話は、西欧ではゲーテのメフィストフェレスとファウストとの関係が有名だが、映画でも契約が簡単に解消、破棄出来ない重い概念であることを示している。魂を取られる事なども日本人には馴染みが無いので想像し難い。

この映画では、登場人物名が宗教的な象徴的な意味合いを含んでいる。
悪魔は最初ルイス・サイファー(Louis Cyphre)と名乗って出てくるが、最後にルシファー(Lucifer)と言い換えている。こちらはラテン語で悪魔を意味する。
マーガレットの父が使っていた偽名は、Edward Kelly(1555-1598)で英国の実在のした錬金術師、魔術師の名である。
ジョニーの黒人の愛人イバンジェリン(Evangeline)も福音という意味である。
またワインサップ・マッキントッシュ法律事務所の名前も林檎の種類からでエデンの園の暗喩との事である。

アメリカの多様な宗教が描かれている。南部のブードゥー教の儀式で、鶏の生血を浴びたり、鶏の足を呪いの警告に使ったりと呪術が描かれる。またバプテスト教徒の浸水の洗礼や歌って熱狂する黒人教会の様子なども垣間見れる。

ニューヨークの遊園地のあるコニーアイランドやニューオリンズの欲望という名の電車、ガンボ・スープなど当時の風景が描かれている。

惨殺シーンや夢の幻想シーンで、やたら血のシーンが多く、異様なムードを醸している。
全体のトーンとしては、換気扇やエレベーターの描写が少しずつ挿入され、暗い抑制の効いたもので、後半は心臓がドキドキする効果音が続き、恐怖感を盛り上げて、忘れ難い作品となっている。

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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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