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映画「コットンクラブ」(1984年)

コットンクラブ2


フランシス・フォード・コッポラの映画ということで、封切り時に大いなる期待を持って観たが、色んなものを詰め込みすぎて、ストーリーが判り辛いという印象であった。寄せ集めのためか話が散漫で、少しガッカリした事を憶えている。
先日、NHK-BSで放映があり、20数年ぶりに再見したので、感想を書いてみたい。

1920~30年代の禁酒法時代、妖しい魅力に満ちたNYハーレムのコットンクラブ(酒とジャズ、ダンスのショウを提供する白人専用の豪華クラブ)が舞台。Bootslegger(密造酒作り人)という言葉が盛んに出てくる。 
コルネット奏者のディキシー・ドワイヤー(リチャード・ギア)とマフィアの情婦ヴェラ・シセロ(ダイアン・レイン)の恋と脱出を軸に、マフィアの抗争、黒人タップダンサー(グレゴリー・ハインズ)の成り上がりが描かれる。

再見したが、しっかりしたストーリーラインが無いという事と主人公二人の造形が弱いと思う。リチャード・ギアは映画の中で、マシュマロ・マンと呼ばれていたが、言葉通り美男子でコルネット、ピアノ演奏、ダンスと見事にこなすが、温和で目指すものが見えてこない欠点がある。ダイアン・レインも10代の美女という役柄だが、際立ったキャラがない。これでは、ワクワクする様な動感が出て来ない。

一方、イタリア系、アイルランド系、ユダヤ系のマフィア抗争は、やはりゴッドファーザー監督らしく重厚で凄惨なシーンが光っている。
何をするか解らない狂気に満ちた親分ダッチ・シュルツ(ジェームズ・マレー)や重厚な影の支配者オウニー(ボブ・ホスキンス)やフレンチー(フレッド・グウィン)等が存在感たっぷりに演じている。
手打ちのパーティでダッチが敵の親分を刺殺し、シャンデリアからダイアン・レインの頬に血が滴るシーンは時間が止まったような衝撃がある。

豪華なショウやタップダンスが披露され、昔の名曲が次々に流れて来るところは、良かった。キャブ・キャラウェイが歌う’Minnie the Moocher’ (哀れなミミー ?)は迫力満点。
編集でかなりの曲数がカットされたようだが、ジョン・バリーの編曲は素晴らしく、これだけ見ると、楽しく点も甘くなるのだが…。

実際の事件に基づいて作られているようで、実在の人物が多く出てくる。
デューク・エリントン、グロリア・スワンソン、チャーリー・チャップリン、ジェームス・ギャグニー等が実名で出てくるのは、ご愛嬌のような気もする。


この映画は、プロデューサー ロバート・エヴァンスのアイディアにより作られた映画である。「ローズマリーの赤ちゃん」、「ある愛の詩」、「ゴッドファーザー」、「チャイナタウン」等の作品で1970~80年代に立て続けにヒットを飛ばし、全米9位の映画会社パラマウントを立て直しトップにまで引き上げている。
当時、猛烈な働きぶりとスキャンダラスな言動で時代の寵児になっていた。

エヴァンスの頭に在ったのは、音楽付きのゴットファーザーを作る事で、禁酒法時代のコットンクラブを舞台に、ギャング、黒人芸人達が繰り広げる殺戮、愛と裏切りの世界を描き、ゴットファーザーに続く二匹目のドジョウを狙っていた。

彼の自伝「くたばれ! ハリウッド」(文春文庫)を読むと、この頃の様子が詳しく語られている。
ジョー・ウィザードから持ち込まれた写真集を基に、物語を付けるため、脚本家としてゴットファーザーの原作者マリオ・プーゾを登用するが、脚本家はコッポラ、ウィリアム・ケネディと大金を払って次々に変わって行く。
安易な妥協を許さないコッポラを引き込んだ事より、経費は膨らみ、映画作りは悲惨な方向へ動き出す。エヴァンスとコッポラの人間関係は、敬愛から憎悪に変わっていく。
海千山千の人間を相手に、ハッタリをかましたり、湯水のように流れ出る資金の金策に走り回る姿やスケジュール管理が遅れるもどかしさが執拗に描かれる。
何より驚く事は、クランクインした時に脚本が出来ておらず、結末は誰も知らないという好い加減さである。

エヴァンスは、セルズニックのような大物タイクーンを目指していたようだが、90年代から没落した。プロデューサー業は浮き沈みの振幅が大きく、大変だと感じ入った次第である。

監督のフランシス・フォード・コッポラは、80年代に3度の破産に瀕したが、不死鳥のように復活し、映画づくりを続けている。まさに映画界の巨人である。

この映画は、ショウビジネスの華やかさは良く描かれているが、冒頭に述べたように直線でグイグイ引きずり込むような魅力に欠け、コッポラにしては不成功作だと思う。
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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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