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追悼 大島渚監督

大島渚 (1024x678)

若き日のオオシマは、勢いがあり魅力的だ


大島渚監督が亡くなった。享年80歳、脳梗塞に倒れた晩年の17年間は、本人にとっても無念だったと思う。
私が学生の頃、大学紛争の最中には、彼は既に巨きな存在で、反りは合わないが、絶えず気になる監督でした。彼について、考えている事を書いてみたい。


謎その一
1983年のカンヌ国際映画祭パルムドール賞に今村昌平監督の「楢山節考」が受賞し、大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」は選ばれませんでした。後年、今村昌平監督がインタビューで、大島渚監督について、尋ねられ次のように答えています。

「大島に対する意見はないね。大島は、普通のやつだよ。ちょっと、女性的な神経質なところがあるけれど、世間でいわれているほど、いやなやつじゃない。考え方はちがうけど、ああいう一途なやつは、いいんじゃないかなぁ。」
少し距離を置いた話し方だけど、彼が女性的だという捉え方に、TVで観ているオオシマの相手を罵倒する攻撃的な姿とあまりにも違い、ハットした覚えがある。

今回、日経新聞の篠田正浩監督の追悼談にも、「こまやかな女性的な人であった」とある。

彼は、父親が亡くなり、京都の家では7歳から家長として扱われ、帰宅の際には、母親に只今帰りましたと三つ指をついて挨拶し、家庭では大声を上げる事もない良き家庭人だったと聞いた事がある。私が抱いている、他人を許さない高圧的な、男性的に見えるオオシマは表層だけの虚像だったのか、外部に対して二面性を見事に演じていたのか、疑問は深まる。


謎その二
大島渚は、映画で何を表現したかったのか。
私がスクリーンで観た彼の映画は、次の三作のみで、大きなことは言えないのですが、絶えず挑発してくるような感じを受けていました。作品は、後年のものは別にして、生硬で楽しいものは少ない。
「絞死刑」(1968):これは大学映研で上映会をしたが、素人演劇風で図式だけが透けて見えるところが白けた。
「儀式」(1971):戸田重昌の美術が格調高かったが、言わんとするところは良く解からなかった。
「愛の亡霊」(1978):じっと見つめている田村高広の幽霊と武満徹の音楽が印象的だった。

彼のテーマは、政治状況、社会、タブーへの異議申し立てが多く、スキャンダルを引き起こす事そのものが、目的化されている感が拭えませんでした。また自らの立つ位置、所属セクト(新左翼から支持された)の無謬性を強く主張しているようで、鼻白む思いがしたものです。対話がないので中身が深まらない印象を持っていました。
また、人間を深く描いていない、女性をうまく描いていない不満もありました。

同世代の篠田正浩監督は、巨大な風車に繰り返し挑みかかるドンキホーテと評し、その情熱、エネルギーには敵わないと語っている。
風車が政治であり、権威であり、世の中のタブーであり、私もこれらに果敢に挑み続ける彼の実行力、組織の統率力には、感心しましたが、映画を手段に使っている様でシンパシーは感じませんでした。

世の中のタブーのハードルが年々低くなり、昔タブーであったものが、今や無くなって来ている現実で、表現者としては、描く物が無くなって、生き辛くなってきていたのではと思います。ビートたけしも同じように指摘していた気がします。

松竹ヌーベルバーグ同期の吉田喜重監督は、追悼文に、彼は「本当は政治家になりたかった」、「社会を動かすのは政治だ。政治を動かすのは権力だ。」と若き日に語っていたとある。映画を手段に権力を目指したが、成しえなかったところに彼の悲哀が隠されているではと思えてならない。


このように、私にとって大島渚監督は、未だ謎の人であり、その栄光と内面の陰影も深まっている。彼の作品を系統的に観て、理解をもう少し深めて行きたいと考えている。

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映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

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