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映画「エド・ウッド」(1994年) 

エドウッド

映画製作の舞台裏を描きながら、映画への愛が溢れている



映画に描かれた映画監督といえば、創作に行き詰まり苦渋に満ちたフェリーニの「81/2」等を思い浮かべるが、ここでは史上最低とレッテルを貼られた実在のB級映画監督の半生をティム・バートン監督が愛情を込めて描いている。
主人公エドは、エエ加減で能天気だが、映画制作への純粋な愛が伝わって来て、何回観ても胸を打たれる。ここが素晴らしいところである。
加えて、バートン監督の40~50年代の怪奇映画やSF映画への偏愛ぶりが熱く語られているところも映画好きには大変楽しい。
エド・ウッド作品は未見だが、こういったキワモノは個人的には嫌いではない。バカバカしいが、少しでも光るものを見つけた時はチョッピリ嬉しくなる。


映画の主人公は野心的で、オーソン・ウェルズに憧れている。撮影中、落込んだエドが、偶然酒場でウェルズに会い、苦労しながら映画製作を続ける事をインスパイアーされる場面は、美しく感動的である。
オーソン・ウェルズは、25歳で映画史上の名作「市民ケーン」(1941年)を撮ったが、その後は資金集めに苦労し、映画制作は苦難の連続であった。芸術を理解しないプロデューサーやスポンサーを馬鹿にする彼の態度も一因であったのだが。

映画監督のマーティン・スコセッシは次のように語っている。
「私たちがオーソン・ウェルズから学んだ重要なことのひとつは、野心の力だった。ある意味で、映画史上、彼ほど多くの人間に映画監督になりたいという志を抱かせた人物はいないんだ。」
エド・ウッド監督もオーソンの「自分の夢のために闘え」の言葉通り、と苦難の映画制作に邁進していく。


映画はモノクロで、ドラキュラが棺から起きてイントロを語る怪奇風の場面から始まる。山面の看板から引いていったカメラでハリウッドの町並みとなる。エド(ジョニー・デップ)は、恋人ドロレス(サラ・ジェシカ・パーカー)や仲間と商業演劇の上演をしているが、客も入らず新聞の批評も「軍服が本物らしい」とパッとしない。

何とか映画プロデューサーへ売込みを果たし、短期間でB級キワモノ映画を作るようになる。製作者は、「おれが欲しいのは、金になる映画を4日でとる監督だ」と放言する。

性転換した男の話「グレンとグレンダ」、怪奇映画の「原子の花嫁」、キッチュなSFの「プラン9フロム・アウタースペース」等のドタバタした映画作りの内側が描かれる。バカバカしいけれど、楽しい場面の連続である。

物語のもう一つの軸は、往年の怪奇スター ベラ・ルゴシ(マーティン・ランドー)との出会いと友情である。エドは落ちぶれて薬物中毒になっているベラを死ぬまで支え、映画に出演させて行く。最後、ベラが家の前で薔薇を手に取る個人フィルムを使うところなどは、シンミリさせられて上手いなと思う。
ベラを演じたマーティン・ランドーは、特殊メイキャップの効果もあり、名優の重厚さと老いの悲しさを漂わせ、本人と見間違う位の雰囲気たっぷりの名演技を見せる。また水中で大ダコに襲われる一人芝居には、笑わせられた。アカデミー助演男優賞の受賞は当然だと思う。

エドの作る映画は観客のブーイングの嵐だが、めげずに映画を作り続けた姿勢には、何か清々しさを感じた。
本当のエドの姿は、資金繰りに行き詰まり、アルコール中毒で苦しんだそうだが、映画では女装癖や第二の奥さんに支えられたことなど、さわやかに描いて後味が良い。

尚、戦前の三大怪奇俳優は、ベラ・ルゴシ(ドラキュラ)、ボリス・カーロフ(フランケン・シュタイン)、ロン・チャイニー(狼男、ミイラ男)である。
戦後はハマー・フィルムで活躍したクリストファー・リー(ドラキュラ)、ピーター・カッシング(博士役)、ヴィンセント・プライスと言われている。ヴィンセント・プライスはバートン監督の憧れの人でもあった。

ティム・バートン監督は、内容的には軽いエンターテイメントが多いが、画家出身らしく映像的には才気溢れるものが多く、私のお気に入り監督の一人である。

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プロフィール
映画、クラシック音楽、料理、ゴルフが好きな中高年男です。 家猫1匹、外ネコ3匹に遊んでもらっています。

ボクダノビッチ

Author:ボクダノビッチ
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